2006年06月17日

司法制度改革

構造改革が進み、民営化など市場原理が重視される昨今、国家の規制が緩む中で国民が自己責任で選択をする領域は確実に増えている。

日本は事前規制・調整型社会から事後チェック・救済型社会へと変貌しつつある。

司法制度改革推進法は2001年11月に成立。2002年には具体案となる司法制度改革推進計画が閣議決定され、関連法の整備が急ピッチで進められてきた。

・国民の期待に応える司法制度の構築

司法改革で求められたのは、より迅速で適切かつ実効的な司法制度の構築。2003年には全ての裁判所が1審を2年以内に出す事を目指す裁判迅速化法が成立した。さらに民事訴訟法も改正されて、審理計画をきちんと立てるように裁判所に義務付けた。

国民にとっては、法的紛争装の解決に必要な情報・サービスを気軽に受けられる制度も必要。そのための新法が2004年の総合法律支援法だ。目的は、弁護士過疎地域を念頭に、各地に日本司法支援センターを設置する事。2006年4月に発足、10月から業務を開始する。「誰でもどこでも使える司法」がキャッチフレーズだ。

裁判以外の紛争処理手続きも整備が進めれられている。2003年には仲裁法が成立。当事者が合意して紛争解決を仲裁人に依頼し、その判断に従うことで紛争解決を図る仕組みだ。

その他、裁判外紛争手続(ADR)の拡充も既定路線。2004年には「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」が成立した。今も公害調整委員会などは調停・斡旋・仲裁を行っているが、こうした機関を増やし、裁判外での紛争解決を促していく。


・法曹制度の改革

司法制度を支える体制の充実強化も、司法改革の柱の1つ。2004年の法科大学院(ロースクール)の開校と法曹人口の大幅な増加を図る事が主眼だ。2006年からは新設法科大学院の教育内容を踏まえた新司法試験がスタート。全体の合格者も増やされる。2018年度頃には、法曹人口が現在の2倍強の5万人程度にまで増えるものと期待されている。


・国民の司法参加

今回の司法改革の目玉は、国民の司法制度への関与。具体的には、一般の国民が重大な刑事裁判に参加する裁判員制度の導入だ。2004年には必要な法改正も完了。5年間の準備期間を経て2009年にはスタートする事になっている。

裁判員は20歳以上の有権者から無作為に選出。政府の試算では国民の68人に1人が生涯に1度経験するはずだ。重い病気であるなど「やむをえない理由」がある場合には辞退できるが、国民の義務という位置づけなので、面倒くさいからという理由で拒否すれば最高10万円の過料が科せられる。

ちなみに裁判員には日当や交通費は支給されるが、参加に伴う損失補償はない。

対象となる犯罪は、死刑や無期懲役などの重要犯罪の第1審(年間約2800件)。原則、裁判官3人と裁判員6人が話し合い、有罪か無罪かの決定と刑の量定を行う。

もちろん、評議の内容や被告のプライバシーなどについて、裁判員は生涯にわたる守秘義務を負う。これに違反すると6ヶ月以下の懲役か50万円以下の罰金を科せられる。

この裁判員制度は1審という事だが、1審は最長で2年かかる。この2年間のうち毎日ではないにしても裁判員としての仕事をしなくてはならないという事になる。

突然の休暇を必要とする裁判員制度に参加したくないという人が多いのだが、表向きの理由は人を裁きたくないというものが多い。

しかし本音としては、会社を休めないというものであったり、休まれたら困るという会社側の声が聞こえてくる。

裁判員の参加に伴う損失補償がないままでは裁判員制度そのものに反対する声は決して減らないだろう。
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posted by balalaika at 15:35 | Comment(0) | TrackBack(1) | 社会問題
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